ハシッコばっかりメにトマル。(仮)

フリーライター、キクタヒロシのブログです。新刊『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』発売中です!

この場合、“東方見聞録”ではなく“東方見文録”が正解♪

このブログを開始する際、自分ではファミコン用ゲームを多数紹介していきたい、と言うか、当初はレトロゲームを記事の中心のする所存だったんですが、紹介してきたのはゲーム関連書籍のみで、ゲームそのものについては一度も扱ってきませんでした。

 

だって、ゲーム紹介するには一応プレイし直なおさねばならず、そんな時間ドコ探したってナイんですもの(T_T)そもそも昨年など一年通じてのプレイ時間が20時間程度ですし(苦笑)

 

しかしながら、紹介しようと思っているソフトが山積み&そろそろ埃を被ってきてますので( ̄ー ̄;)、今後は一月に一本ぐらいでも紹介してゆければな、と考えています♪ 

で、今回は、やっぱボク的には最初はコレしかないというソフト、1988年にナツメより発売された『東方見文録』をご紹介♪

f:id:buraburablue:20151001234047j:plain

ちなみに“文”の字は誤字している訳ではなく、主人公の名前なのでご注意を(笑) 

実は当ソフト、クソゲーバカゲーと言われるカルトゲームの中ではかなり名高く、一部の好事家の間では評価が高いンですよ。無論ボクを含めて(笑)

パッケージでは“ニューウェーブサイケデリック・アドベンチャー”とメーカー側が冠しており、何か不吉な気配を感じるトコロだと思うのですが、その予感はホンモノです♪さらにファミコンソフトという基本購買層がジャリな商売にも関わらず、ジャケ絵に『ガロ』の表紙絵を描いていた事もある太田蛍一を起用、サイケというよりアンダーグラウンドさ満点で、本当に売る気があったのか疑問なトコロデス♪

 

主人公の東方見文録(とうほうけん ぶんろく)はマルコ・ポーロにメロメロのかなり優秀な大学4年生で、夢は代官山で日本一の雑貨屋さんを営む事。

f:id:buraburablue:20151001234150j:plain

文禄は『東方見聞録』の中から過去の日本がジパングと呼ばれる黄金の国であった事を確信し、夢を実現するため、自ら開発した絵描き歌のコックさん似のタイムマシンに乗り込み、1275年のヴェネツィアへと卒業旅行と洒落込むのであった。 

言うオープニングでスタートする本作、序文から推測できるように、製作者側にはマトモなモノをつくろう!という気は皆無です♪

 

スタート直後、マルコと宣教師であるマルコの父・ニコロはキリスト教伝道のためアークルに向かっていたのですが、突如、空間より出現した文禄に驚いて腰を抜かしたニコロが二等身になってしまったため、旅を断念、マルコは文禄と共に旅する事になります。

 

その後、アークルで宿を探せば、宿屋の主人はオカマで泥棒だし、教会にいけば十字架に磔にされているイエス・キリスト様の像が、たまたま股間にモノが当たったのに激怒、十字架を背負った神神しいお姿でライダーキックを披露し悪人退治するし、なぜかもろ尿瓶のランプを擦ればランプの精が現れるものの、インドの労働基準法をタテに一日三時間しか働かないし、人を殴ろうとすれば「あなたはカワマタブンジ(注1)ですか?」とツッコミが入るし、(以下、ずっと同様に壊れてるので略)

 

また、このゲームがやりすぎな点は細部にも渡っています。まず、費用削減の意味もあったのかBGMには著作権フリーなのを良い事に、どう考えても内容とは無関係なマイムマイムを使用していますし、パスワードによるコンテニュー画面を選択するといきなり<パスワードを入れるノフー!>と表示されます。ちなみに入力を間違えると<パスワードがちがうビッチー>なんですが、一体何語なんでしょうか?というより、その前にパスワードにも関わらず、ワードでなく絵が採用されており、しかも、ソレというのが、オウムガイ、ハニワ、カマドウマまだしも眼球プラナリアに至っては、ちょっとその発想に恐怖すら感じる意味不明ぶりです♪ 

f:id:buraburablue:20151001234251j:plain 

 

まぁ、プレイヤーをモノ凄く選ぶゲームではありますが、このブログを読んで興味を持たれた方は適正があると思いますので、ぜひお試しください。カセットのみなら2,000円ぐらいで購入できるはずですので。 

最後に、ゲームのエンディングについて触れたいのですが(プレイしようと思った方は読まないでね♪)、ラストのセリフ

 

おかあさ~ん、おかあさ~ん・・・おか、おか、おかあさ~ん

 

は個人的にはゲーム史に残る苦笑いエンディングだと確信していますが、コレが家庭用機で発売されていたなんて、当時はおおらかな社風だったのかな~、任天堂(笑)

 

(注1)もはや知らない方が多いと思いますが、ある凶悪な刑事事件の犯人名と一字違い。いくらなんでもブラック過ぎるよな~、ココ(苦笑)