ハシッコばっかりメにトマル。(仮)

フリーライター・キクタヒロシのブログです。まもなく新刊がでます!

百怪、我ガ腸ニ入ル。

没落してゆく貴族の末裔に生まれ、極貧に喘ぎながらの苦学のうち、革命家と生きる事を決意した氏は、「三十まで生きられない」と医師に宣告された百万人に一人という内臓が左右逆に位置している特異な体をもっていたゆえ、生き急ぎ地下活動を続けていました。 

その折、日々の糊口を稼ぐために少年時代から特技であった絵を活かし昭和三年、江戸川乱歩『陰獣』の挿絵を描いた事から思いもよらず流行に乗り、大衆画壇の寵児となったその人の名は竹中英太郎と言います。 

 

氏は昭和初期に発表された江戸川乱歩横溝正史夢野久作などの探偵怪奇モノの挿絵を担当しかなりの人気を博したにも関わらず、現在その作品を眼にする機会は、残念ながら稀です。前述のように数奇な運命に立ち向かいながら描いたその絵は、鬼気迫るような妖しい彩を放っているにも関わらず。  

ともあれボクが云々言うよりも百聞は一見にしかず、写真撮影した画像のためその魅力がどこまで伝わるか不安ながらも、その作品を観て頂きたく存じます。

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ボクは絵については門外漢、専門的な事は何も分かりませんが、その人外から忍び寄ってくる不安感というか、日常が、足元が崩されるような眩暈に似た感覚が氏の作品から発散されています。

 

そんな竹中英太郎氏の作品でありますが今まで、ほぼ全作品の図版を収録した 

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百怪、我ガ腸(ハラワタ)ニ入ル(三一書房/1990年)と『別冊太陽 探偵・怪奇のモダニズム』(平凡社/1986年)という二冊の本にしか纏められておりませんでした。しかしそれすらも既に絶版、入手困難という状況が続いていたのですが2006年、竹中英太郎生誕百年を記念して<竹中英太郎記念館>が完成、それに伴い『画集 竹中英太郎~生誕百年記念~』(A4判96ページ/\3,000)という豪華本が編まれておりました!  

書店売りはしていないようですが通信販売も行っているという事ですので、その世界観に惹かれちゃった方はご購入を検討してはいかがでしょうか?『百怪、我ガ腸ニ入ル』の古書価格が5ケタを切る事はまず無い事を考えれば、かなりお徳と言えますので♪