ハシッコばっかりメにトマル。(仮)

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攻略本にみる、おおらかな時代。

かつて、僕のコレクト範囲に「ゲーム攻略本」がありました。

それもファミコン時代辺りまでの限定で。

 

現在のゲーム攻略本といえば、やたら分厚いデータ集のようなものが主となっているようです。

これはゲーム自体に盛り込んでおいた隠し要素などを掲載する事で、二次的な売り上げを確保せんとする販売戦略上の「大人の事情」が絡んでくるのでしょうが、僕のような「ピコピコ」と表現されたような8bitゲーム世代には、攻略本の厚みやデータの羅列を見ただけで「うわぁ、面倒くさそう」と尻込みしてしまう場合も多いのです。先日もちょっと気になるDSソフトがあったのですが、攻略本を見てウンザリ、購入を取り止めました。

 そんな時、こんなものを発見して心が和みました。

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初代ゲームボーイ用ソフト「ボンバーボーイ」の攻略本です。初代ゲームボーイといえば画面はモノクロ、ソフトの容量も少なく、表現できるものがかなり限られていた機種。

 

ゲーム自体がそうなのですから、攻略本も自ずとそれに沿ったものとなります。

ゲームの容量に合わせて、攻略本の頁数の僅か48頁。現在の攻略本と比べたらその厚みの違いは一目瞭然。

 

なのですが、表紙の右端に気にかかるコピーが踊っていました。

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「全120面の大紹介!」です。

 

さらにさらに、目次を確認するとカップリングされているゲーム「ボンバーマン」についても「これが全50ステージの全貌だ」との表記があるではありませんか。

 

120+50=170面分の攻略記事が48頁に詰まっているというのですから驚きです。

ざっと計算しても、一面辺りの攻略について裂ける頁数は1/4頁。

恐るべきコストパフォーマンス。

 

で、実際の攻略記事がどんなかというと、各面の敵の数・アイテム数を表記した上でのアドバイス、

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「がんばれ」「気をつけろ」(+同義の表現多数)が書いてあるだけでした。

 

最終面の攻略に至っては

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「やった!!最後だ!!やっちまえ!!」です。

 

もはや、攻略記事である事を放棄しているとしか思えません。

 

 

まぁ、このゲーム自体が具体的な攻略記事を必要としない類だったんでしょう。編集・執筆をされた方の苦労が忍ばれます。

 

ともあれ、現在のガッチガチなゲーム攻略本とこのような昔の攻略本を比べた場合、そのおおらかさにどこか安心させられる、ピコピコ世代の僕なのでした、とさ。