僕の新作、『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』が近日発売となります!
さて、先の記事にて少し書きましたが
わたくしキクタヒロシの新刊本
『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』
(四六判・256頁 本体1300円+税(税込1404円))
が2017年10月末頃、彩図社より刊行予定です!
これは前著『昭和のヤバい漫画 知られざる貸本マンガのDEEPな世界』と同じ判型、頁数なのですが、価格のみ100円弱、値下げとなっております(『昭和のヤバい漫画』は税込み1,500円)。この辺は彩図社さんの企業努力です。
執筆時の意気込みなどをここで改めて書くのは何だか気恥ずかしいので、ご興味のある方は下にリンクを貼ってある彩図社さんの「書籍情報」を見て頂くとして(太字の部分をクリックすると、彩図社さんのHPへジャンプします)、
ざっくばらんに書くと、僕の好きな怪奇マンガ作品をご紹介した本です。
このような感じでストーリーの流れに沿いながら、時にシリアスに、時に面白おかしく、分析や推測、妄想の類を交えながらのご紹介をしております。
本書で取り上げさせて頂いた作品は
菅島茂『のろいの地下室』
森由岐子『怪談 鬼むすめ』
久呂田正三『怪奇探偵絵物語 6本指』
古谷三敏『墓場ネズミの血太郎』
沼希一・画/苅谷敬・作『蟇 男』
池川伸一『悲しい死面人形』
川島のりかず『中学生殺人事件』
まちだ昌之『人喰い少女』
いばら美喜『いばら美喜短編選』と題して『執念』『眠り』『焦熱地獄』
川崎ゆきお『恐怖! 人食い猫』
いけうち誠一『檻』『小ちゃくなあれ』
高園寺司『吸血女バイオレット』
好美のぼる『耳売り少女』
あかつき・ただし『呪いのバレリーナー』
谷ゆきお『狂った茶碗』
旭丘光志『桜の散る夜に』
鬼城寺健『呪われたテニスクラブ』
白川まり奈『母さん お化けを生まないで』
K・ギマン『夜の学校に幽霊赤ちゃんが!』
西たけろう『怪奇新宿炎上』
松田辰彦『蟻グモ』
白蓮華『死を呼ぶ鏡』
岬マヤ『恐怖! ゾンビのいけにえ』
小島剛夕『半骨ギャルマン』
松森正・画/滝沢解・原作『人魚海域 マーメイドゾーン』
小林辰禎『実録 サッカー戦士』
玄太郎『魔牌の島』
井上まゆみ・画/本多悟郎・原作・構成『愛と死のジーンズ』
の28作品。
それに加えて1~2ページほどの短評ではありますが、
矢乃藤かちすけ『悪魔の血が踊る』
清水修『魔血子』
日野日出志『地獄変』『赤い蛇』
なども10数作をご紹介したうえ、ひばり書房や立風書房レモンコミックスなどについてのコラムも書かせて頂きました。
怪奇マンガファンの方ならお馴染みのものから、「あれ、それ怪奇ものじゃないんじゃないの?」というお声が聞こえてきそうなモノまで、幅広く取り上げております(先にご説明させて頂きますが、はっきり怪奇マンガとして描かれたものでなくとも、怪奇要素の強いもの、テーマの重さに恐怖するもの、ワケが分からな過ぎて作品の存在自体が怪奇、と感じたものなどを、何作品か紹介しています)。
本書は怪奇マンガファンの方はもちろん、「怖いのは苦手」と怪奇マンガを敬遠している方々にも読んで頂きたい、という想いを込めて書かせて頂きました。
なぜなら、本書でご紹介している作品は「怖さ」以外の魅力も光る、怪奇マンガファンならずともお勧めしたいものばかりだからです。
実は僕自身が幼少の頃より「怖いのが苦手」で怪奇マンガを読まず嫌いし、大人になってから本書でご紹介しているような作品に触れた時に、「読まないで損してたなあ」と思ったものですから。
それらの理由より、「怖いのが苦手」な方々にとっては一風変わった怪奇マンガのカタログとして、蒐集の一つの指針となるような作品選出を心掛けました。
本書をきっかけに怪奇マンガへの興味を持って頂けたとしても、入手難だったり古書相場が高騰していたりで、結局、どの作品も実際には読む事ができない、という事態は避けたかったもので。
また、怪奇マンガファンであるなら説明不要な「ひばり書房」のマンガにつきましても、知らない方からすれば「ひばり黒枠」「色ロゴ」「ひばりヒット青256」など、現在古書業界で使用されている表記がとっつきにくいのではないかと思い、それら説明を交えながら「ひばり書房」の事を書き連ねたコラムなども掲載させて頂きました。
怪奇マンガに造詣が深い方々におかれましては物足りないラインナップに感じるかも知れませんが、本書をお読み頂きながら「あー、そうだよね」「えー、それは勘繰り過ぎじゃない?」など、同好の士と話をしているつもりで、お楽しみ頂けたら嬉しいです。
僕自身、本を通じて皆様に話しかけているつもりですので。
そして最後に、皆様が一番驚かれたであろう表紙について。
もう皆様一目瞭然の事と存じますが、今回、国内外を問わず高名であり、怪奇マンガ界随一の鬼才・日野日出志先生にイラストをご提供いただきました。
これは編集部の発案だったのですが、僕個人としては以前よりの一ファンとして、畏れ多くも光栄に思っております。
…では、長くなりましたので今回はここまで。次からは紹介作品の表紙画像などを載せたりしてゆきますので、ほんのちょっとだけご期待頂けたら幸いです。
<追記>
文中にリンクが貼ってある彩図社様のサイトから、各ネット書店・通販サイトでの販売頁へ移行できます。既に一部では予約注文が可能となっておりますので、よろしければ、是非。