世界が終わっても、ソレを忘れない。
ソレを古本屋さんの100円コーナーで見かけた時、隠そうともしていないダジャレタイトルをつけている潔さにココロ惹かれて手に取っただけなンですが、興味半分でパラ見した途端、速攻レジへとボクを向かわせた作品が
『任侠沈没』(山口正人・著/全3巻/日本文芸社/2008年)でございます!
映画や漫画化もされた小松左京氏のパニック小説『日本沈没』をパロった題名がつけられている本作、ソレに恥じない名が体を示しまくっている物語でして、
日本が沈没しかけ任侠も地に堕ちる中、独り任侠道を貫く男の姿
を描き尽くし、前代未聞のジャンル、
PANIC任侠モノ♪
を開拓したのみならず、作中まるでツッコミが無く、どこまで本気なンだかサッパリ分からない放置プレイギャグ満載という怪作と成り果てています!
株取引で600億の損害を組に与えた組長(通称オヤジ)の息子・正義を任侠的ケジメのため脳天を真一文字に叩き切った大紋寺龍伍なのですが、その報復を受け妻子をオヤジに殺されてしまいます。
龍伍は鬼神の如き怒りの炎を燃やすのですが、
ソレは
マンガ的表現ではなく火山の噴火だったりしました♪
突如、日本を大地震が襲い、地が裂け、火が延び、瞬く間と廃墟と化した日本。
しかし、世界が滅びようと任侠は忘れない龍伍は自らの心に従い、オヤジ抹殺へと赴くのであります!
秩序を無くし人心荒む日本では任侠も地に落ち、人助けと称しシャブ入りシチューを人々に振舞う組まで現れましたが、ソレを指示している組長は小型核シェルターに籠もりきり、
トイレの時以外ナニする時も出てきません。そんなゲス野郎を我らが龍伍が許しておくはずもナク、征伐に向かおうと一歩踏み出すと
地割れが起き、あっさり飲み込まれてしまいました∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
・・・とまぁ尋常でなくアツイ主人公・龍伍なのですがかなり天然が入っておりまして、自分の命を狙う末期ガン患者の弟分を救うため、
何度も針を刺し間違えながら
血液型が違うにも関わらず輸血を敢行したり(ちなみにこの弟分、エロイ想像して鼓動を早める事で龍伍の血が侵入するのを防ぎ( ̄_ ̄ i)、一命を取り留めました♪)、弱った日本を侵略してきた諸外国の戦艦に乗り込んで行って、いつの間にやら気が付くと
スペースシャトルで宇宙に飛び出してしまい、
一生の不覚を嘆く暇も無くソコに潜んでいた宿敵(!)を倒した際に計器を破損、地球に戻れずそのまま死んじゃってみたり、
死んでも殺したり、とオチャメ過ぎなお方♪♪
っーか本作、基本的に全編通じて
なんだ、ソレ!?∑(゚Д゚)
の固まりでありまして、いちいちツッコミ入れてたらキリがナイというバカ過ぎ(ホメてます)な作品ですので、一読を強くオススメしておきます!