ハシッコばっかりメにトマル。(仮)

フリーライター、キクタヒロシのブログです。新刊『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』発売中です!

少年少女、純粋でイビツな愛。

ドモ!

本日より6月に入り天候も安定し始め、やっと初夏の気配が訪れた感のある今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

ボクはダメダメDeath(´д`lll) 

 

実は先週ぐらいまで精神的に参ってまして今週、ソレにやっと折り合いをつけココロが健やかになってテンションUPしてきていたンですけど、神様はイジワルっちゅーか、そのトタンにタチの悪い風邪を引いてしまい3日ほどダウン、にも関わらず一昨日、昨日と休めない労働があったので無理して働いたら呼吸器系がイカれてしまい、容態が安定するまで通院して点滴を受けなければいけない状態になってしまいました。ちなみに処方されたお薬8種類っすわ(;^_^A

 

ボクがゴハンを喰うために従事している労働というのが基本的には肉体労働でして、ちょっと動くと呼吸が辛くなる今の状態ではとてもじゃありませんが出勤はムリ、もう今月の収入大幅減を覚悟しましたよ、ボク。

 

…が、芸は身を助けるといいますか、神様はそんなイジワルじゃなかったっーか、先ほどコンビニにゴハンを買いに行った際に収入を得て参りましたっ

 

イヤ、ナニ言ってンのか全然ワカラナイかと思うンですが(笑)、コンビニの横にある古本屋さんの店頭100円コーナーに古めの本が大量に混ざってまして、「コレはナンかあるかも・・・」と察知したボク、店内を隈なく物色し見事捨て値にて2,000~3,000円で売り飛ばせる人気レア本ゲットに成功したンです( ´艸`)♪

 

で、そんなステキな本はナニかというとコチラ 

 f:id:buraburablue:20151001002607j:plain

ひばり書房が生んだ奇才・川島のりかずの『フランケンシュタインの男』でございます!

 

 

川島のりかずは個人的に気になる作家さんなのですが、ご存知ナイ方が多いと思いますので、以前まんだらけ様の発行物に寄稿させて頂いた紹介文を転載します。ちょっと長い&ツマラナイかも知れませんが、ぜひ読んでみてくださいましm(u_u)m

 

日常に潜み、フとしたきっかけで発現する狂気をモチーフに怪奇マンガ描き続けた稀有な作家、川島のりかず。個人的にはこの川島のりかずこそ、ひばりHIT COMICSを語る上での最重要作家だと考えています。

 

ひばり書房のラインナップに限らず、それまでの少年少女向けの怪奇マンガといえば大半が化け物”“幽霊などの現実離れした存在を核として展開する、非現実的な恐怖を描いたものでした。そんな中、川島のりかずの描き出す世界は明らかに異彩を放っていました。恐怖の対象を<人間に内在する狂気>に求めていたからです。それまで身近だった人が、ある時精神の崩壊を起こし、畏怖するべき存在となっていくという、自分にも降りかからないとはいえない、常に読者の傍に在る根源的な恐怖を表現していた川島のりかず。その世界観は作者自身の心の叫びだったのではないでしょうか。

 

川島のりかず作品では人間は弱く身勝手で、なお且つ凶暴性を持った理不尽な存在として描かれています。エンターテイメントとして割り切って執筆していた可能性もありますが、氏の場合は自らが内包している、いえ、全ての人間が少なからず持っている心の歪みをストレートに原稿用紙へ叩き付けていたとみるのが妥当でしょう。

 

川島のりかずはひばり書房からしか単行本を上梓していませんが、それでも数年の間に相当数を書き下ろしおり、安定した人気を保っていた事が伺えます。読者を選ぶ作風からいってその人気は意外な気もするのですが、氏が活躍した’80年代は東西冷戦時代、社会情勢として漠然とした不安を抱えていた頃とリンクしています。そんな時代、人々も恒常的に精神を圧迫され心が病み、無意識の内に自らに潜む狂気を感じ取っていたのでは無いでしょうか。そして、その心の悲鳴が川島のりかずの描き出す狂気を受け入れさせ、多数の作品群を生み出させる結果となったのでしょう。

 

と、そんな川島のりかずの残した最高傑作と太鼓判を押す方々が多い作品こそ、この『フランケンシュタインの男』なのです!

 

 

f:id:buraburablue:20151001002637j:plain

f:id:buraburablue:20151001002645j:plain

そして、そんな彼女だからこそ惹きつけられ、恋をした少年

f:id:buraburablue:20151001002654j:plain

鉄雄。

 

 

本作は少年少女の純粋で歪な愛を、憧憬と狂気を交えて描き出すコトに成功しており、スキキライはあれ全ての読者のココロにナニかしらの引っ掻き傷を残すであろう異色作です。

 

この『フランケン~』、もともと折を観てホームページの方で解説&紹介しようと思っていた作品にも関わらず書庫から探し出すのがメンドくさいため先延ばしし続けていたンですが、しばらく安静にしてなければいけないこの時期に二冊目が入手出来たのもナニかの縁、近々に当ブログにて取り上げようかと思いマス!

 

今回のブログを読んで興味を持っちゃった方、カツモクの上しばしお待ちくださいマセm(u_u)m