ハシッコばっかりメにトマル。(仮)

フリーライター、キクタヒロシのブログです。新刊『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』発売中です!

愛読書は『夜と霧』。

本日ご紹介いたしますは、昭和30~40年代に絶大な人気を誇った劇画家、故・佐藤まさあき先生の代表作であり、個人的には最高傑作だと思っちょります

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『堕靡泥の星(ダビデのほし)』、佐藤プロダクション版(昭和58年)でございます!!

 

 

大学教授の家に生まれエリートコースを進むはずが、運命の悪戯により凶悪殺人犯の血を引いてしまった主人公・神納達也(じんのう たつや)。彼は生来加虐を悦ぶ性癖を持っており、ソレは中学生時の授業で、アウシュビッツでのユダヤ人虐殺を知った時から目覚めてしまいます。

 

 

以後、カレは著者のナチス強制収容所体験を綴ったヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を愛読するようになり、っつーか、ソレをエロ本として重用するようになり、養父を事故にみせかけて殺害し、莫大な遺産を手にしてからは本能の赴くまま、女性に狼藉をはたらくのであった・・・!!

 

 

 

 

っつー雑誌に連載されていた昭和40年代当時では衝撃的過ぎる内容の本作でして、この文章を書いてる時点でも、ちょっと間違えばスグサマ不適切認定→読者さまの閲覧不可となりそうですので、慎重に言葉を濁しながら説明した次第でございマス(;´▽`A``

 

 

 

 

 

そんなハードな本書なのですが、ナニゲ無くカバーを外しましたら

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本体の表紙にソコハカとない違和感を感じまして、その原因がナニかと探ってみたのですが、手描きと思われる

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模様の拙さはまだしも、まるで力なく

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アッという間に退散しそうな悪霊の文字や、裏表紙の

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線が真っ直ぐにさえ引けていなく、なんだか配置もバランスも悪い、小学生が授業中に描いたようなドクロにあるコトが判明しました♪ 

本書発売当時、佐藤まさあきセンセのトコロに、絵心のあるアシスタントはいらっしゃらなかったのでしょうか?故人のご苦労が忍ばれます(ノ_-。) 

ちなみに本作品、現在サニー出版さまより文庫が発売中でございます!興味を持たれました方はゼヒ一読をば♪