10月30日頃発売予定! 『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』にてご紹介している作品たち-その2-
さて、前回の記事に引き続き、今回も僕の新刊
『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』
(彩図社 四六判・256頁 本体1300円+税(税込1404円))
にてご紹介している作品について、書影などを載せてゆきたいと思います。
「設定の妙」とした第3章では、
幼気な少女が夜な夜な売り歩く商品は…血の滴る「耳」!
好美のぼる『耳売り少女』
←僕の所持している本は、残念ながらカバーが無いんです…。
わたしのバレエをみて、とベッドの上で舞い踊る少女の霊! その怪異にまつわる悲惨な殺人事件とは…!?
あかつき・ただし『呪いのバレリーナー』
←単行本の表紙絵は、作者の筆によるものではありません。
←こちらがあかつき先生の画風。
茶碗の奥底に潜む老人が、夜中にゴハンを盗み食う
谷ゆきお『狂った茶碗』
桜の枝にぶら下がった、殺し屋の首吊り死体。それが出来上がるまでの、突拍子もない経緯!
旭丘光志『桜の散る夜に』
平家の怨霊話+超能力少女+テニスのハイブリッド作品
鬼城寺健『呪われたテニスクラブ』
件(くだん)の伝説をもとに描かれる、種別を超えた血族の物語
白川まり奈『母さん お化けを生まないで』
続いて第4章では「歪な愛と性の恐怖」と題して、
少年少女向け作品としては男女のドロドロが描かれ過ぎな
K・ギマン『夜の学校に幽霊赤ちゃんが!』
‘70年代的アンニュイな感じが魅力。氏が突き付ける社会への警告!
西たけろう『怪奇新宿炎上』
→こちらは『怪奇新宿炎上』が収録されている単行本『恐るべき殺人』の表紙絵
当時としてはやり過ぎぐらい。が、その「やり過ぎ」感がちょうど良い
松田辰彦『蟻グモ』
思春期の男子を不必要にモゾモゾさせる、サービス精神旺盛な
白蓮華『死を呼ぶ鏡』
エロ劇画でならした作者が醸し出す、成熟されたオトナなエロス
岬マヤ『恐怖! ゾンビのいけにえ』
そして最後の第5章「怪奇はジャンルを超えて」では趣を変え、「怪奇」を感じさせる作品を、他ジャンルからも取り上げています。
50ページほどに詰め込まれたアイデア量に脱帽、あの小島剛夕先生がデビュー初期に描いたSF怪奇
小島剛夕『半骨ギャルマン』
物語終盤までは、読ませるアダルトテイストなミステリー。が、最後には頭が「?」で埋め尽くされる
松森正・画/滝沢解・原作『人魚海域 マーメイドゾーン』
テーマの重さゆえ、当時のちびっ子たちにトラウマを与えた問題作
小林辰禎『実録 サッカー戦士』
麻雀と怪奇の融合! 麻雀牌に隠された黄金の在処。しかし、そこに待っていたのは…
玄太郎『魔牌の島』
←この本は短編集で、表題作が『魔牌の島』なのです。
黒田みのるのアシスタントが描く恋愛モノ…のはずなのですが、この作品の存在自体が、怪奇!
井上まゆみ・画/本多悟郎・原作・構成『愛と死のジーンズ』
・・・と大きくページをさいてご紹介している作品は以上です。
が、他にも「特別コラム」として、1~2ページほどの短いご紹介文なのですが、ページの許す限り、気になる作品について書かせて頂きました。
この本の表紙にイラストをご提供くださいました日野日出志先生の『地獄変』『赤い蛇』を始め、
矢乃藤かちすけ『悪魔の血が踊る』
清水修『魔血子』
いばら美喜『恐怖の招待状』『謎の恐怖少女』
川島のりかず『母さんが抱いた生首』
←スペースの都合で残念ながら本では引用できなかったのですが、川島のりかず「らしさ」が凝縮しているコマですので、ここでご紹介しておきます。
など、10数作を取り上げております。
これらプラス、「ひばり書房」についてのコラムなどが5編ほど。それが『昭和の怖い漫画 知られざる個性派怪奇マンガの世界』の内容となります。
僕が別のペンネーム(この頃書いたものは仕事が雑で、個人的に黒歴史)で執筆していた同人誌や、過去に運営していたHPに掲載していた作品紹介と同一タイトルもありますが、加筆修正レベルではなく全面的に改稿しているか、もしくは全くの別原稿です。ですから、僕の同人誌をお持ちの以前からの読者様でも、お楽しみ頂けるのではないかと思っております。
・・・そしてこの記事を書いている最中、彩図社様から見本刷りが送られてきました!
近いうちに本の表紙についての裏話などを記事として上げさせて頂きますので、ちょっとだけご期待頂ければ幸いです。
それでは。